「海外生活にかかわる有害動物」
害虫Q&A

海外邦人医療基金(運営委員)
長崎大学熱帯医学研究所(非常勤講師)
大利 昌久



Q3. マラリアは蚊に刺されてうつりますが、エイズは感染しないのでしょうか。
A3. <回答者>関西医科大学公衆衛生学教室 教授 西山 利正

 マラリアの病原体はマラリア原虫という寄生虫で、ヒトの赤血球に寄生します。感染しているヒトの血液をハマダラ蚊が吸入すると、その体内でマラリアは有性生殖し、増殖、発育します。その後、蚊の唾液腺にマラリア原虫は集まり、蚊がヒトを刺咬した際に唾液と共にヒトの体内に多数のマラリア原虫は注入され、感染が成立します。

 ところが、エイズの病原体であるエイズウイルスはエイズに罹患している患者から、蚊に吸入された場合、蚊の体内で比較的短時間に死滅すると言われております。さらに、エイズウイルスは蚊の体内では、増殖することなく、もし蚊の刺咬により、唾液とともに、ヒトの体内に注入されても、ヒトが感染し、発症するに至るウイルス数に達しないと考えられます。

 従って、蚊に刺されることにより、マラリアは感染しますが、エイズになるということはほとんどないと言えるでしょう。




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