治療の原則は生活習慣と食事療法です。
生活面では、便意をもよおしたらすぐにトイレに行くようにし、排便を我慢しない。とくに朝食後は排便を試みるようにします。食べ物が胃に達すると大腸が動く反射があり、それを利用して、排便の習慣化を試みるわけです。
排便時の腹圧を高めるために腹筋を鍛えたり、腸の運動を促すためにお腹をマッサージする方法もあります。腸の走行に沿って石下から上、左下へとさすります。
食事療法としては、繊維の多いものや脂肪分を摂ることです。食物繊維は水分を吸着するので便が柔らかくなり、量も増え、それによって腸が膨らみ、刺激を受けて腸の運動が活発になり、排便するようになります。穀物、野菜、果物、豆、海草などが勧められます。でんぷんも食物繊維と同様の働きをすると言われています。また、植物油やバターなどの脂肪分は便の滑りをよくします。牛乳などの乳製品のほか、香辛料、適量のアルコールも蠕動運動を促します。水分も便秘にはよいので飲水量を増やしましょう。
前記の生活習慣と食事療法でも改善されない場合には下剤を用いますが、習慣性になります。
海外生活での注意
一過性の便秘は海外旅行や海外赴任時によくみられ、とくに女性に多いようです。この多くは精神的な緊張でおこる摩れん性便秘のタイプと思われます。
海外の食事においては、食物繊維がかなり不足することも考えられます。そのような日本と異なる生活環境を考慮にいれて、食事内容を考えることが必要になります。
下剤は、日本から紹介状を持参して現地の医師に処方箋を書いてもらうのが安心ですが、国によっては処方箋なしで薬局で買えます。