「海外赴任と成人病」 成人病を持って海外赴任した場合の健康管理
糖 尿 病
伊藤忠商事健康管理室医事顧問 井出 健彦
 「糖尿病のある人は海外勤務に適していない」といった解説を海外派遣の指導書やハンドブックなどにみることがある。糖尿病を持ちながら、特にインスリン注射や経口剤を服用している場合、海外勤務には通常とことなる注意が必要となるが、糖尿病について充分な知識を持ち、適切な自己管理をおこなうことが出来れば、不可能なことではない。近年の推計によればわが国の成人の間の糖尿病は10%に達しており、海外派遣から糖尿病を除外することが困難となりつつある。また、本人が、糖尿病でなくとも、同伴する家族が糖尿病という場合もある。

赴任前の準備

1.糖尿病のコントロール状態の確認
 主治医を受診し、糖尿病のコントロール状態が海外勤務に適当か否か意見を聞く。

 血糖コントロール状態の目安としては、空腹時血糖値120mg/dl以下で低血糖のないものを優コントロール、140mg/dl以下を良コントロール、170mg/dl以下を可コントロール、171mg/dl以上をコントロール不良とするとよい。血糖値は変動しやすいので、数回の測定値の変動幅からコントロール状態を判断する。

 グリコヘモグロビンA1c(HbA1c)とフルクトサミンは血糖値よりも変動の少ない安定した指標である。血糖値が高いと、グリケーションという反応により血液中の蛋白質にブドウ糖が結合する。ヘモグロビンは赤血球中にあり、酸素を運ぶ赤色の蛋白だが、そのA1cという部分に糖が結合する。HbA1c値は、A1cの中に含まれる糖のパーセンテージである。HbA1cは過去1〜2カ月間の平均血糖値を反映するが、それは、赤血球の寿命約120日と関係する。正常値は4〜6%だが糖尿病では7%以下が望ましく、この状態が持続できれば合併症の発生ないし進行を阻止できることが最近の疫学調査で明らかにされている。

 フルクトサミンは血清アルブミンに糖が結合したもので、過去1〜3週間の平均血糖値を反映する。正常値は205〜285μmol/1である。

 コントロール不良の場合は、治療を強化し、良好な状態に安定しない限り、赴任を見合わせるべきである。

2.合併症の確認
 糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を糖尿病の三大合併症と呼ぶ。不完全な治療のまま5ないし10年経過する間に発生してくる。糖尿病は、ブドウ糖の利用を促進するインスリンのはたらきが不足しておこる代謝異常だが、そのためブドウ糖の一部は、インスリンを必要としない代謝経路にはいるようになる。そのようなルートは、通常は殆ど活動していないため、体内に代謝産物の異常な蓄積がおこる。また前述のように、高血糖により、ブドウ糖が体内の各種の蛋白と、グリケーションという異常反応で結合する。糖尿病性腎症と糖尿病性網膜症は、これらの異常による全身の血管系の障害のあらわれであり、神経におこった異常が糖尿病性神経障害である。これらは、早期であれば糖尿病の治療を正しくおこない、良好な状態を続けることにより改善するが、ある程度をこえて悪化したものは、進行を止めることも困難となる。グリコヘモグロビンA?cが血糖コントロールの指標であると同時に、これら合併症の進行を予測する目安となることについては前述した通りである。

1)糖尿病性網膜症
 眼底網膜の細い血管が障害され血液成分が血管外に漏れやすくなる。良性の網膜症は、これらの変化が主として網膜の周辺部に発生するため、視力は殆ど障害されない。注意を要するのは悪性または増殖性網膜症と呼ばれるもので、それまで普通に見えていた視力が、硝子体出血や網膜剥離で突然失明することがある。赴任前には糖尿病専門の眼科医の受診が必要である。

2)糖尿病性腎症
 腎臓は血液を濾過し老廃物を除去して血液を浄化する臓器である。血液を濾過する腎臓の細い血管が障害されると蛋白尿やむくみがおこり、高度になると血液を浄化する機能が低下して、尿毒症という危険な状態におちいる。血液中のクレアチニンと尿素窒素は老廃物の蓄積を示し、これらの上昇は腎機能の著しい障害を意味する。このような状態では海外勤務を断念せざるを得ない。

3)糖尿病性神経障害
 全身の末梢神経の機能が異常をきたすため多様な症状をあらわす。たとえば足のしびれや痛みなどの知覚異常や眼筋麻痺、心臓や血管を調節する自律神経系の異常による起立性低血圧(立ちめくらがり)や心電図異常、皮膚の栄養神経の異常による足の神経性潰瘍が出来ることもある。知覚障害や神経麻痺は糖尿病コントロールの改善により、徐々に回復するが、海外赴任などのストレスにより、突然再発することもある。

4)動脈硬化症
 糖代謝障害にともない、糖尿病では脂質代謝も異常となり、高脂血症がおこるので動脈硬化も進行しやすい。冠動脈硬化による狭心症と心筋梗塞は治療不完全な糖尿病の危険な合併症である。高血圧症を合併する場合は特に注意を要する。

冠動脈のほか、下肢の血管に閉塞性動脈硬化症がはじまると、200〜300メートル歩くだけで足が痛くて歩けなくなり、休むと回復するといった間歇性跛行がおこる。高度になると殆ど歩行不能となり更に虚血性懐疽では下肢の切断も必要となる。

血糖値のコントロールと共に、コレステロール、中性脂肪の値にも注意し、高血圧症を合併する場合には、血圧のコントロールも疎かにしてはならない。最近の疫学調査の結果から、糖尿病患者では血中総コレステロール値は200mg/dl以下、中性脂肪(トリグリセリド)は150mg/dl以下に抑えることが望ましいとされている。

5)白内障
 高血糖の持続により、眼球の水晶体が混濁すると、視力障害がおこる。最近は手術で眼内レンズを挿入する治療が可能となったが、眼底が高度の網膜症でおかされている場合は、視力の回復は望めない。

3.一般健康状態の確認
 海外勤務に先立ち、一般健康状態を、いわゆる人間ドックなどで確認する。出来れば歯科医にも受診し、むし歯や歯肉炎、歯槽膿漏などの歯周病についても検診を受けておく。

4.教育入院のすすめ
 糖尿病専門の医療機関が設けている教育入院を体験することは、自分の糖尿病状態について認識を深め、更に、食事療法や運動療法、インスリン注射など、日己管理に必要な知識と技術を効率よく体得できるので、海外勤務に際し甚だ有益である。また、赴任を控え、外来治療ではコントロールがなかなか改善しなかったような場合でも、多くは1〜2週間の入院で良好な状態に達することができる。

5.血糖自己測定 self-monitoring of blood glucose(SMBG)
 試験紙による尿糖の検査は簡便だが、血糖値との関係はかなり複雑で、コントロールの状態を正確に知るには限界がある。これにたいし、血糖自己測定は血液中のブドウ糖を簡単な測定器により自分で測り、コントロールの状態を身近かに確認する方法で、主としてインスリン注射をしている患者を対象として治療に導入されている。自宅や旅行中などいつでも簡単に血糖値を知ることが出来るので、インスリン治療以外でも、特に海外勤務の際は役立つことが多い。

6.紹介状の作成依頼
 主治医から海外勤務に支障なしとの判断が得られたら、現地医療機関への紹介状の作成を依頼する。国内で転医する場合の紹介状は、診療情報提供書という形に統一されているが、海外への転医の場合は、これを英文で作成する必要がある。主治医は、多くの場合、自ら英文紹介状を作成してくれるが、多忙な医師にとって、それは必ずしも簡単なことではない。時には医師の作成した和文の紹介状を翻訳の専門機関に依頼しなければならないこともある。

 医療の分野では、英語圏でなくとも、通常は英語が共通語として通用すると考えてよい。紹介状の内容について、処方薬が一般名で記載されていることに注意する必要がある。日本国内での医薬品の市販名は、海外では通用しないことが多い。 紹介状は2−3部コピーを作成しておくとよい。

7.治療薬、注射器等持参の準備
 赴任したら現地医療機関の受診はできるだけ早い方がよいが、やむを得ず時を経過してしまうこともあるので、通常1〜3カ月分の必要な医薬品を持参するのが望ましい。通関の際、医薬品の持ち込みは、現地の医療行政により厳しく規制されているが、本人の病気治療に必要とする医薬品の2〜3カ月分程度であれば許可してもらえると考えてよい。但し医薬品の内容とそれらを治療に使用する病名等を記載した英文証明書を所持する必要がある。

 インスリン注射液は5℃から30℃までの気温であれば安定しているので室温で保存してよい。但し、熱帯や寒冷地ではこの範囲を容易に超えてしまうので注意を要する。冷蔵庫に保存するのはよいが、注射液を凍結させてはならない。凍結するとインスリンの作用は大きく変化する。因に、航空機搭乗の際は、必ず手荷物として機内に持ち込み、チェックインで預けてはならない。上空で荷物宝の温度が下がると、注射液が凍結する恐れがある。

8.疾病証明の携行
 日本糖尿病協会発行「糖尿病治療の手引き」(南江堂)の巻末に自分が糖尿病であることを示す英文のカードがとじてある。氏名、治療内容、連絡先等を記入するようになっているので主治医と相談して作成し、切り取って身につけ、低血糖や糖尿病昏睡などで万一意識を失うような事態に到った場合にそなえる。

9.コントロール等に影響を与える要因について
 現地での白己管理の参考として、コントロールや治療に影響を与える諸要因を表1に示した。

表1 糖尿病のコントロールを悪化させる因子

1.肥満(飲食の不節制、運動不足)
2.ストレス(精神的および身体的ストレス、手術 など)
3.感染(細菌性下痢、感冒、肺炎、胆のう炎など)
4.副腎皮質ステロイド剤の内服又は注射による全身投与
5.加齢
6.妊娠と分娩


赴任途上の注意

1.飛行機旅行中の食事
 機内食は通常カロリーが計算されているので問い合わせておくとよい。また、多くの場合、事情を話し、依頼しておけば、希望のカロリーに調整してもらうことも出来る。

 目的地に到着するまでは、出発地の時間に合わせて食事をとるようにするのがよい。経口剤の内服やインスリン注射をおこなっている場合、フライトスケジュールの変更などで、給食時間が大幅に遅れると、低血糖がおこることもあるので、軽いスナックやサンドウィッチなどで160〜240カロリー程度の補食を用意しておくとよい。

 東に向かうと1日の時間が短くなるので、NPHやウルトラレンテなど持続型インスリンを、速効型インスリンに変え、ペン式の注射器で、食事のたびに注射する方法に切り替えたり、1日2回インスリン注射をおこなっている場合は、血糖の自己測定値を参考にして、2回目の注射量を10%程度減らすか中止するなどで調整する。なお、飛行中にペン式でない注射器を用いる場合は、バイアルに注入する空気を約半分とする。

 スルフォニル尿素系の経口剤は、服用間隔が短縮すると低血糖をおこすおそれがあるので、服用量を減らして調整する。ビグアナイド剤や。−グルコシダーゼ阻害剤などを併用している場合は、一時的に中断してもよい。

 西に向かう場合は、1日が長くなるので、これまで通りにインスリン注射をおこなう。現地に着いたら最初の食事の前に自己測定をおこない、血糖値が高ければ4〜6単位速効性インスリンを注射する。経口剤については特に調整の必要はない。

2.旅行中の下痢
 海外旅行中に、しばしば下痢をおこすことがある。

糖尿病にとって下痢は、脱水や摂取カロリーの減少により、低血糖やコントロールの乱れの原因となる。

非衛生的な食事や、なま水は避けた方がよい。日本人はなまものを好むが、海外では肉、魚、野菜などは、熱を加えて調理したものを食べるのが安全である。機内でも、瓶詰めのミネラルウォーターや湧かした湯茶などを飲用する。氷も安心出来ない場合がある。

着任後の注意

1.現地医師の受診
 インスリン注射や経口剤を服用している場合は、出来るだけ早い時期に、紹介状を持参して、現地医師を受診する。当座の治療薬を持参していることで、受診を先送りしていると、忽ち2〜3カ月が過ぎてしまうので注意を要する。医療事情については、現地の友人知人や先任者、日本人会、日本大使館などと相談する。なるべく糖尿病専門医を受診するとよいが、はじめに受診した医師が専門医でなくとも、その医師が糖尿病専門医を紹介してくれるであろう。

 現地医療の受診は、単に内服薬やインスリン注射液の補給のためではない。服薬や注射の有無に関係なく、コントロール状態は時として予想外の変動をおこすことがある。また、感染や外傷など不測の原因により、コントロールが大きく乱れることもおこり得る。このような事態への速やかな対処には、現地医療の支援が不可欠となる。

2.急性合併症の注意
 前述の腎症、網膜症、神経障害などとことなり、突発的におこる合併症である。

1)糖尿病昏睡
 昏睡は重篤な意識障害で、生命の危険を意味する。

糖尿病の代謝障害が最も悪化した状態で、血糖値が非常に高くなるため尿量が多く、脱水をおこす。毎日必要なインスリン注射を勝手に中断したり、肺炎や敗血症など、重症の感染症が加わった場合に発生し、早期に治療を必要とする。

2)低血糖
経口剤やインスリンにより血糖が著しく低下した状態で、表2、表3を参照されたい。食事を必要以上に減らしたり抜いたり、アルコールの飲み過ぎ、激しい運動などのほか、胃腸炎は食欲低下、下痢などから低血糖をおこしやすい。軽いうちに糖分をとると回復するが、低血糖は脳の機能を麻痺させるため意識障害がおこることがあり、重症では昏睡に陥る。

表2 インスリン低血糖の原因

1.食事量の減少、食事時間の遅れ
2.過激な運動、空腹時の運動
3.過量な飲酒
4.インスリンの注射量、注射時間等の間違いや誤認


表3 経口剤服用中に低血糖をおこしやすい誘因

1.食事量の減少、食事時間の遅れ
2.過量な飲酒
3.肝障害、賢障害
4.経口剤の作用を増強する各種薬剤(下記)の併用
  解熱剤、消炎鎮痛剤
  サルファ剤
  クマリン系抗凝固剤
  β遮断剤(高血圧、狭心症治療薬の一種)


3)感染症
コントロール不良で血糖値が高いと、白血球や抗体産生などの防衛機能が弱体化するため、細菌やウイルス、カビなどによる感染がおこりやすくなる。傷口が化膿したり、おできなどの吹き出ものが出来やすくなる。感冒から気管支炎や肺炎になることもある。胆のう炎や腎孟炎などは、糖尿病の状態が悪いと慢性化したり重症になりやすい。これらの感染症は更に糖尿病を著しく悪化させ、糖尿病昏睡のひきがねとなることもある。早期に感染症に対する治療と共に、糖尿病治療の強化が必要となる。

3.感冒の際の注意

 感冒の原因となるウイルスは、種類が非常に多く、地球上の各地域や季節によって分布状態がことなる。そのため、海外では日本の感冒に対する免疫が効かなくなり、着任早々から約1年間は屡々感冒に煩される。かぜをひくとすぐに感冒薬を服用しがちだが、感冒薬は熱や頭痛、咳などの症状を緩和するだけで、原因のウイルスを抑制する作用はない。感冒の治療は、今日でも、保温と安静以外にない。感冒薬を服用し症状が楽になったからといって、安静休養を疎かにすると、回復が遅れ、あるいは気管支炎や肺炎など重症となる恐れもある。また、感冒薬には、解熱剤など経口剤の作用に影響を与える薬も配合されている。感冒の症状に気づいたら、早目に暖かくして休養することが大切である。2年目からは現地のウイルスに対する免疫が出来て、あまりかぜをひかないようになる。なお、各種の感染症が、感冒様の症状ではじまることにも注意を要する。

4.手術を受ける場合
 手術の大小にかかわらず、手術に先立ち、糖尿病を良好な状態にしておかなくてはならない。特に大きな手術は、ストレスも大きいため、手術そのものが糖尿病を悪化させることがある。交通事故など、大怪我で緊急手術となった場合には、糖尿病であることを、前述の疾病証明などで、外科医にわかるようにしておくことも必要である。

5.食事療法
 食事療法は糖尿病治療すべての基本である。コントロールを悪化させ合併症の進行をまねく最大の原因は、食事療法の不履行といっても過言ではない。

勤務地で食事療法を適正におこなう上で、単身赴任者には困難が多いため、事情の許す限り、単身赴任は避けるべきである。

 わが国では、一般に、日本糖尿病学会編「糖尿病治療のための食品交換表」(文光堂)を用いているが、海外では食品の種類が若干ことなる場合が多い。米国糖尿病協会と米国食事協会の共同出版の“MealPlanning with Exchange Lists”(American Diabetic Association,Inc., National Service Center 1660Duke Street,Alexandria,Virginia22314 U.S.A)が広く利用されている。但し、日本糖尿病学会編の交換表のように80カロリーを1単位とする方式ではない。なお、定期的な体重測定により食事療法が適切におこなわれているか否かを点検する。

6.運動療法
 習慣的な運動不足は糖尿病発病のきっかけとなり、また肥満は糖尿病を悪化させる。一方、筋肉の運動はインスリンの働きをよくして血糖値を下げる効果がある。糖尿病にとって、運動不足にならないように、日常生活の中で身体をよく動かすように心掛けることは大切である。特に海外勤務中は、運動不足となり勝ちなので注意を要する。

 運動療法としては、有酸素運動がよく無酸素的な運動は好ましくない。有酸素運動は充分な酸素を利用して、エネルギー源となる糖質と脂肪を完全燃焼させ、炭酸ガスと水を生じる運動で、これに対し、無酸素運動は酸素を利用せずに糖質から乳酸を生じる際のエネルギーを利用する運動である。早足歩き、ジョギング、サイクリング、ゴルフ、社交ダンス、水泳等は有酸素運動であり、短距離の全力走、ジャンプ、重量挙げ、柔道、相撲、ボクシング等は無酸素的運動、サッカー、バスケットボール、ラグビー、ハンドボール等の球技は、中間の混合運動である。

 一般に「220−年齢」で各年齢の最大心拍数を求め、運動中の脈拍がその60%から70%の範囲にあれば有酸素運動であり、それを超すと無酸素的傾向が大となる。有酸素運動は、心臓血管系に無理な負担がなく、20分以上続けると脂肪がよく燃えるようになり、効果的な減量が期待出来る。これに対し、無酸素運動は老廃物の乳酸が蓄積するため、短時間で疲労し、脂肪の燃焼はおこらない。

 自分の脈拍をはかりながら、30〜40分間程度有酸素運動を週3〜4回実行するのがよい。なお、食前空腹時の運動は低血糖をおこしやすいので、避けなくてはいけない。空腹時血糖値が250mg/dl以上のコントロール不良の場合は運動はやめる必要がある。また、高血圧や狭心症などでβ遮断剤を服用している場合は、運動中の脈拍が指標とならないので、主治医と相談する必要がある。

むすび

 糖尿病は治療を怠ると、コントロールが悪化し合併症が進行する。インスリン注射や内服薬を必要としない軽症糖尿病でも、食事療法を疎かにし、運動不足を続ければ内服薬やインスリン注射を必要とするようになる。海外勤務では、日本での生活と異なる点が多くとも、自己管理の基本を心掛け、良好なコントロールを続けるという糖尿病の治療方針に変わりはない。


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